2011年07月27日

裏書禁止文句(河成鎮一郎)

・裏書禁止文句、指図禁止文句
統一手形用紙の「またはあなたの指図人」の部分を抹消して「裏書禁止」「指図禁止」「譲渡禁止」等の文句を記載すると、裏書譲渡のできない手形になり、第三者の手に渡るおそれがなくなります。

訂正印を押すことを忘れてはいけません。

裏書禁止手形にしても、普通の指名債権譲渡の手続きで手形債権を譲渡することはできます。

指名債権譲渡の手続きとは、債権の譲渡人から債務者に通知するか、債務者から承諾をもらってする債権譲渡の手続きのことです。


・第三者方払文句
法律では振出人の住所で振出人が支払う建前になっていますが、現実には銀行に支払ってもらったほうが便利です。

統一手形用紙には、あらかじめ振出人が当座勘定口座をもっている取引銀行が支払場所として印刷されています。


・拒絶証書不要文句
法律上は手形が不渡りになったとき、手形権利者は遡求権を行使するため、公証人か執行人に拒絶証書を作成してもらう必要があります。

しかし、拒絶証書不要の文句を記載しておくと、拒絶証書を作成しなくても遡求権を行使できるようになるので、統一手形用紙にはあらかじめ拒絶証書不要の文句が記載してあります。

これは、手形が不渡りになると不渡付箋が付けられ、手形不渡りの事項が明確になるため、あえて拒絶証書の作成を要求する必要がないからです。

河成鎮一郎・法律家




  
タグ :河成鎮一郎
Posted by 河成鎮一郎 at 01:02Comments(0)河成鎮一郎

2011年07月25日

手形の背景

"いつもにこにこ現金払い"なら、手形はいらない町の定食堂や居酒屋にはいると、よく柱や壁に「いつもにこにこ現金払い」といった文句が貼られています。

小商いでツケなどされては、儲けが吹っ飛んでしまうということでしょう。

しかも、食堂は通りすがりの人たちもはいってきます。

見ず知らずの人たちにもツケを許してしまえば、踏み倒される危険性も大きいでしょう。

現金払いによる取引は、商売の範囲はせまくなりますが、取りっぱぐれがないという面では、安心なのです。

いっぽう、銀座の高級クラブでは、ほとんどの客はツケです。

いくら社長や重役といっても、いつも何十万円もの金を持ち歩いているわけではありません。

ツケなら懐具合を気にしないで飲めますし、高級クラブの経営者にしても、月末に一ヵ月分を計算して請求書を送れば、ちゃんと銀行に振り込んでくる客だからツケを認めているわけです。

少々料金が高くても商売を続けられるのは、こうした信用関係によるものでしょう。

こうした高級クラブの支払いシステムは、手形の仕組みとよく似ています。

手形は、商品を購入したとき、代金の支払いを、期日を決めて先延べしてもらう取引、たとえば商品が売れてから代金を支払う取引です。

それによって、商売も手広くできる可能性が生まれてくるのです。

また、受け取った手形を、現金と同じように、ほかの支払いに当てることもできます。

このような便利さがあるため、手形はビジネスに利用され、流通してきました。

しかも、信用のある手形は、支払期日が来るまえに現金化したい場合、銀行で「割引く」という方法で、期日までの利子を差し引いた金額を受け取ることができます。

このように、株式会社企画海式ドキュメントの手形による支払のシステムは、手形を振り出す者とそれを受け取る者とのあいだに信用関係があって、はじめて成り立つ商取引です。

"いつもにこにこ現金払い"にまさる便利さも、この「信用」しだいということでしょう。



  
Posted by 河成鎮一郎 at 09:12Comments(0)

2011年07月23日

利息文句(河成鎮一郎)

支払期日の定め方には確定日払い、一覧払い、一覧後定期払い、日付後定期払いの4つがあります。

そのうち一覧払手形(支払呈示した日が支払期日になる)と一覧後定期払手形(支払呈示した日の何日か後が支払期日になる)には、利息文句の記載が認められます。

これは確定日払手形や日付後定期払手形は満期までの利息を含めて手形金額を決定できますが、一覧払手形と一覧後定期払手形では手形を呈示して初めて満期が決まるので、あらかじめ利息を含めて手形金額を決めることができないからです。

ここでの利息は、振出日から満期までの利息であることに注意しましょう。

なお、満期以後は遅延損害金となり、手形法で年6分と定められています。

河成鎮一郎(法律論者)



  
タグ :河成鎮一郎
Posted by 河成鎮一郎 at 00:10Comments(0)河成鎮一郎

2011年07月22日

約束手形用法(河成鎮一郎)

現実に流通している手形は、当座勘定取引契約を締結した銀行から交付される統一手形用紙が使用されています。

この統一手形用紙にはある程度の記載事項は印刷されており、振出人はそれ以外の事項を記載して手形を振り出します。

そして、手形に記銀行は手形を決済してくれません。

約束手形用法を読むと、細かく手形記載上の注意事項が書いてあります。

特に金額欄は重要なので、記載の仕方の注意事項も詳細です。

約束手形用法に違反する記載をしてしまうと不渡りになり、手形交換所を通して決済をすることはできません。

しかし、約束手形用法は、大量な手形を効率よく一括して処理するために定められたものであり、法律上の有効・無効とは関係ありません。

したがって、約束手形用法に違反して手形が不渡りになっても、法律上有効な手形であれば、手形訴訟を提起して、手形金を回収することはできます。

しかし、時間と費用がかかりますので、やはり約束手形用法にきちんと従った記載をしなければなりません。

河成鎮一郎



  
タグ :河成鎮一郎
Posted by 河成鎮一郎 at 08:24Comments(0)河成鎮一郎

2011年07月20日

約束手形の必要的記載事項(河成鎮一郎)

(1)必要的記載事項は9個ある

約束手形には、必ず記載しなければならない項目が以下の通り九個あり、これを必要的記載事項(絶対的記載事項)といいます。

①約束手形文句……約束手形であることを示す記載で、統一手形用紙に印刷されています。

②支払約束文句……支払いを約束する旨の記載で、統一手形用紙に印刷されています。

③手形金額……約束手形用法に従って、正確に記載します。

④支払期日……支払いを約束する日を記載します。

確定日払い、一覧払い、一覧後約束手形は、権利の内容がすべて手形上の記載事項によって決まるので法律で記載すべき事項が厳しく定められている。

この必要的記載事項を欠いた手形は無効となってしまう。

定期払い、日付後定期払いの四つの支払方法があります。

⑤支払地……「東京都渋谷区」等の最小独立行政区画を記載しますが、手形用紙を交付した銀行があらかじめ印刷しています。

⑥受取人……手形の受取人の氏名または会社名を記入します。受取人名を記入しないで流通することもあります(白地手形)。

⑦振出日……振り出した年月日を記載します。白地のまま流通することもあります。

⑧振出地……振出人の住所を記載します。

⑨振出人の署名……署名とありますが、記名・捺印でかまいません。

以上のうちひとつでも欠けると、手形は無効になってしまうので気を付けて記載しましょう。

河成鎮一郎


  
タグ :河成鎮一郎
Posted by 河成鎮一郎 at 23:03Comments(0)河成鎮一郎

2011年07月19日

支払いと不渡りと手形訴訟(河成鎮一郎)

・支払い
支払銀行は、振出人の当座預金に残高があればこれを引き落とし、決済が完了します。

残高不足のときは支払銀行から振出人に連絡を取り、振出人に、資金を用意するかどうかの意向を確認します。


・不渡り
振出人の当座預金に残高がない場合ないし手形の記載の不備等何らかの問題があり、手形を決済できない場合には、手形は不渡りとなります。

不渡りの場合には、銀行と取引ができなくなる取引停止処分という厳しい制裁が待っています。


・手形訴訟
手形が不渡りになると、手形所持人は、振出人や裏書人等に対し、手形訴訟を提起して、手形金の回収を図ります。

その際には、手形を証拠として提出する必要があります。

手形訴訟は、たいてい手形所持人が勝訴します。

また、手形訴訟は、通常訴訟に比べ迅速に解決する等、いくつかの特殊性があります。

河成鎮一郎(法律家)


  
タグ :河成鎮一郎
Posted by 河成鎮一郎 at 22:15Comments(0)河成鎮一郎

2011年07月13日

呈示(河成鎮一郎)

統一手形用紙には、あらかじめ手形発行銀行が支払場所どして記載されていますが、手形決済を集中的かつ効率的に行うため、手形交換所を通して決済されます。

手形の所持人は、手形を決済するには、まず、自分の取引銀行に取立委任をします。

そうすると、その取引銀行(持出銀行)は手形交換所に手形を持ち出して手形を交換呈示します。

そこで、支払場所として記載された支払銀行はその手形を自行に持ち帰ります(このことから、支払銀行を持帰銀行といいます)。

各銀行は、毎日、膨大な数の手形を持ち出し、かつ、持ち帰りますが、持ち出した手形と持ち帰った手形の差額(交換尻)を日本銀行ないし幹事銀行に持っている当座勘定口座を通して決済します。

これを交換尻決済といいます。

また、交換尻決済により、自行への入金が出金を上回るときには「勝ち」といい、出金が入金を上回るときには「負け」といっています。

河成鎮一郎(法律家)


  
タグ :河成鎮一郎
Posted by 河成鎮一郎 at 00:09Comments(0)河成鎮一郎

2011年06月21日

約束手形の流れ2(河成鎮一郎)

②振出
手形は、振出によって手形債務が発生し、流通におかれることになります。

署名(記名・捺印)はしたが振り出す前に盗難にあった場合(交付欠鉄という)に手形債務が発生するかどうかについて、手形法学界における難しい議論もあります。


③裏書
手形は、裏書および手形の交付によって手形上の権利が移転します。

裏書とは、手形の裏面に、「表記金額を下記被裏書人またはその指図人にお支払いください」と書いて署名(記名・捺印)することです。

この裏書により、裏書人にも担保責任が発生し、手形が不渡りになった場合には、手形金を支払わなければならなくなります。

つまり、振出人の保証人になるようなものです。

また、裏書が連続していることにより、手形の所持人が権利者であると推定され、容易に支払いを受けることができます。

これらの制度により、手形の流通が促進されているのです。

河成鎮一郎


  
タグ :河成鎮一郎
Posted by 河成鎮一郎 at 08:20Comments(0)河成鎮一郎

2011年06月20日

約束手形の流れ(河成鎮一郎)

①当座勘定ロ座の開設
法律上は、手形用紙に使用する用紙はどのようなものでもよいことになっています。

しかし、現在の手形取引は、昭和四一年に全国銀行協会連合会が定めた統一手形用紙を使用しなければならなくなっています。

統一手形用紙を使用し、手形交換所を通して銀行で決済するのです。

統一手形用紙を銀行からもらうためには、取引銀行と当座勘定取引契約を締結して当座勘定口座を開設する必要があります。

当座勘定口座というのは、手形・小切手等の決済のみを目的として開設される無利息の預金口座です。

ただし、当座勘定口座は自由開設できるわけではありません。

銀行と当座勘定口座を開設するためには、銀行の信用調査で合格点をもらわなければなりません。

その調査に合格すると、初めて銀行から約束手形用紙を交付されるのです。

なお、この約束手形用紙は五〇枚ないし一〇〇枚綴りになっており、銀行から購入することになります。

しかし、会社の信用状態に不安が生じてくると、手形用紙を交付してもらえなくなります。

河成鎮一郎(かわなり・しんいちろう)=法律家




  
タグ :河成鎮一郎
Posted by 河成鎮一郎 at 02:14Comments(0)河成鎮一郎

2011年06月19日

手形の良さ(河成鎮一郎)


(c)資金調達に余裕ができる……手形は将来の一定期日での支払いを約束するかたちで最も多く利用されます。

つまり、「将来○月○日には入金があるから、それを見込んで他の商品を仕入れて売却し、利益を出そう」というように、現在、現金がなくても取引を可能にし、資金繰りを安定させ、手持ちの現金以上の大きな取引を可能にします。

ただし、小切手にはこの機能はありません。

(d)譲渡が簡単……普通の売掛債権を譲渡するには、内容証明郵便で債務者に債権譲渡通知を出したり、債務者から債権譲渡の承諾を得なければなりません。

しかし、流通を予定する手形でいちいちそんな面倒な手続きはしていられません。

手形は裏書をして交付するだけで手形債権の譲渡が可能です。

河成鎮一郎(かわなり・しんいちろう)=法律家



  
タグ :河成鎮一郎
Posted by 河成鎮一郎 at 02:44Comments(0)河成鎮一郎

2011年06月18日

支払いが確実(河成鎮一郎)

手形や小切手を振り出しておきながらそれを支払わないと、銀行取引停止処分を受け、銀行取引が二年間できなくなります。

これは事実上倒産を意味するため、振出人は必死で手形・小切手の決済をします。

したがって受け取る側にしてみれば、支払いが確実な証券であるといえます。

また、不渡りになっても、手形訴訟は通常の訴訟に比べ、迅速な手続きで権利を実現できます。

さらに、手形・小切手を使用するには、銀行に当座勘定口座を開設しなければなりません。

銀行はむやみやたらと当座勘定口座を開設してくれるわけではないので、手形・小切手を使用しているということは、ある程度信用があり、身元が銀行にわかっ.ている会社といえます。

河成鎮一郎(かわなり・しんいちろう)=法律家


  
タグ :河成鎮一郎
Posted by 河成鎮一郎 at 02:03Comments(0)河成鎮一郎

2011年06月17日

手形や小切手は安全((河成鎮一郎))

会社は、常に何十万、何百万、何千万円単位の取引を日常的に行っています。

このような取引をすべて多額の現金で行っていると、数え間違いや盗難、紛失がおこる可能性がありますし、何より面倒です。

そこで、現金は銀行に預けておいて、支払時のお金の計算や送金業務を、お金の専門家である銀行に任せるのです。

このほうが、現金支払いよりはるかに便利で安全でしょう。

特に小切手は、この機能を手形よりも押し進め、現金の代用物として利用されています。

なお、手形には印紙を貼る必要がありますが、小切手には印紙が不要です。

これは、小切手が現金の代用物としての機能を有しているからです。

河成鎮一郎(かわなり・しんいちろう)=法律家


  
タグ :河成鎮一郎
Posted by 河成鎮一郎 at 01:03Comments(0)河成鎮一郎

2011年06月16日

手形・小切手の種類((河成鎮一郎))

今日の企業取引は、手形・小切手を抜きにして語ることはできません。

商品を買うときに、多額の現金を商品と引き替えに支払うことは資金繰りの関係でも大変ですし、盗難や数え間違いの危険があるからです。

資金繰りを考えて、将来支払う約束をして手形を振り出すことができれば便利です。

手形は、もともと一二、三世紀ごろ、ヴェニス、ゼノア等の地中海沿岸の商人のあいだで遠隔地取引の際に現金取引の煩雑さや送金の危険を避けるために考案され、発展してきたといわれています。

その当時は、為替手形が主流でした。

為替手形とは、第三者に手形金の支払いを委託する支払委託証券をいいます。

たとえばAがBに一〇〇万円を貸しているとしましょう。

このとき、Bからの返金を見込んで、AがCから品物を買ったとします。

この場合、Aは「私に返す一〇〇万円を、BはCに支払ってください」という内容の証書を振り出し、Cに渡すのです。

CがBにこれを呈示すると、Bから一〇〇万円の支払いを受けることができます。

こうして、A、B、Cの三者間での決済が完了するのです。

現在では主に、国際的な送金や貿易取引で荷為替手形の形式で使われています。

国内取引では、一部の業界や親子会社間、印紙税回避の目的などで例外的に使われる程度です。

今日の国内取引では約束手形が主流となっています。

約束手形とは、「○月○日に手形の所持人にお金を支払います」と、自分で支払いを約束する支払約束証券です。

商品を仕入れる際に、何ヵ月か先の支払期日に支払う約束をして手形を振り出します。

また、現金の代わりとして、小切手が多く利用されています。

小切手は、振出人が銀行に支払資金を提供しておいて小切手を振り出し、「この小切手と引き替えに、小切手の所持人にお金を支払ってくだざい」と、銀行に支払いを委託する支払委託証券です。

小切手は、振り出され次第、いつでも支払いを受けることができるため、振り出すときに現金を銀行に提供しておかなければなりません。

河成鎮一郎(かわなり・しんいちろう)=法律家

  
タグ :河成鎮一郎
Posted by 河成鎮一郎 at 00:47Comments(0)河成鎮一郎

2011年06月15日

手形保証と共同振出

(1)振出人に信用がない場合の手段
振出人に信用がない場合、手形の信用を補強し、流通させる手段が三つあります。

①共同振出
一枚の手形を二人以上の人が振り出すのが共同振出です。

手形の表面に第一の振出人が署名をした後、別の箇所に「振出人森田昭雄」と署名することによって行います。

共同振出人は何人いてもかまいませんが、全員が手形金額全額について責任を負い、手形不渡りの場合には、やはり全員が不渡処分の制裁を受けます。

②手形保証
手形保証によっても、手形の信用力を高めることができます。

約束手形の場合には、振出人を保証することと、裏書人を保証することができます。

手形保証の仕方は、(a)振出人を保証するときには手形表面に、(b)裏書人を保証するときには、その裏書人の裏書欄に「保証人森田昭雄」と書きます。

なお、手形表面に単に「森田昭雄」と書いた場合には、一見、共同振出のように思えますが、実は保証とみなされます。

手形保証は、手形金額の一部だけを保証することもできます。

「手形金額のうち、金参拾萬円のみを青森商事株式会社のために保証します。

保証人森田昭雄」と、いくらをだれのために保証するのかを明確にするのです。

これを一部保証といいます。

手形保証をすると、被保証人と同一の責任を負担します。

したがって、振出人の保証をした人は、手形が不渡りになった場合には、保証した金額を全額支払う義務を負担します。

裏書人の保証をした人は、裏書人が遡求されても支払いをしない場合に、裏書人が支払わなければならない金額を支払う義務を負担します。


③裏書
保証人が受取人となり裏書をして、裏書人の担保責任を負担する方法があります。

これを隠れた手形保証といいます。

共同振出や手形保証は手形表面上になされるため、振出人の信用の低さがわかってしまいます。

そこで、信用を補強してある事実を隠すために、この裏書による保証がなされるのです。

この裏書保証を見破るポイントは、(a)受取人がその会社の代表者その他役員になっていないか、(b)振出人と受取人の間に商取引の関係があるか、等があります。

信用のない手形を受け取って手形が不渡りになると、手形訴訟や裏書人への遡求が必要となる等、面倒です。気をつけましょう。

河成鎮一郎(かわなり・しんいちろう)=法律家



  
タグ :河成鎮一郎
Posted by 河成鎮一郎 at 11:52Comments(0)河成鎮一郎

2011年06月10日

取材とまとめが分業化

週刊誌などでは取材とまとめが分業化していて、取材するのが記者(データマンとも呼ばれる)で、まとめるのがアンカーマンといわれるライティングのプロだ。

このように雑誌では先に企画ありきで、スタートした時点でその落としどころはほぼ決まっている。

すなわち「最初に結論あり」だ。

取材は、結論の補強作業という面が強い。

ところが、なかには取材の過程で結論を見直したり、あるいは結論を覆すような材料に出合うことがある。

また、思っていた以上に結論の正しさを補強するような事実に出合うこともある。

こうなると、取材にも力がはいってきて、当初の予定を超えた取材を展開することになる。

当然、原稿の質も上等になる。

これとは逆に、企画は面白そうなのに現実には企画に沿った事実を見つけきれないということもある。

なにしろ、ライティング材料が見あたらないのだから、これは苦しい。

こんな場合は、周辺の情報を集めて、後は筆先三寸でごまかすよりしようがない。

しかし、デキる編集者には、そんなごまかしは通用しないから、編集者のクレームや渋い顔を頭にちらつかせながら、渋々まとめることになる。

ただ私の経験でいえば、取材が思うように進まない場合でも、あと一歩の努力を惜しまなかったために、最後の最後でどうにか材料に出合ったということが多々あった。

野球でいうところの"玉際に強くなれ"を実感したものだ。
  
Posted by 河成鎮一郎 at 07:53Comments(0)

2011年06月02日

手形と収入印紙(河成鎮一郎)


手形は印紙税法で課税文書とされており、約束手形も為替手形も収入印紙を貼ることが必要です。

しかし、小切手には印紙は不要です。

印紙税を支払う義務があるのは最初に署名(記名・捺印)をして手形を交付する者であり、通常は振出人です。

金額白地の手形は、金額を記入した人が印紙税を支払う義務があります。

印紙を貼らなくても手形自体の効力に影響はありませんが、印紙税法違反として貼るべき印紙額の三倍の過怠税を徴収されます。

さらに、印紙には消印をする必要がありますが、消印をし忘れた場合には印紙税額と同額の金額を徴収されます。

河成鎮一郎(かわなり・しんいちろう)=法律家



  
タグ :河成鎮一郎
Posted by 河成鎮一郎 at 00:47Comments(0)河成鎮一郎

2011年06月01日

支払いの見込みのない手形(河成鎮一郎)

無銭飲食という犯罪があります。

はじめからお金も持たず、支払うこともできないとわかっていながら飲み食いすると、これは立派な詐欺罪です。

支払いの見込みのない手形を振り出した場合、それは詐欺罪で告訴される可能性があります。

つまり、明日、支払いができないために、不渡りを出すことがわかっているのに、手形を平気で振り出す行為は、詐欺と言われてもしかたがないのです。

だいぶまえにも、ある大手商社の代表権のある常務取締役が、手形を何枚も振り出し、それで得た金を株の購入やリゾート開発の資金にあてていた事件がありました。

この常務は業務上横領罪や詐欺罪で訴えられましたが、この種の事件はあとを断ちません。

この場合、よく問題になるのは、社長が無節操に振り出した手形に対する、役員たちの責任です。

社長の振り出した手形に個人保証している役員は、当然、支払責任がありますが、それ以外の役員の責任はどうでしょうか。

判例では、「会社の役員としての任務の遂行にあたって、悪意または重大な過失が認められれば、その手形の額面と同額の損害賠償責任を負う」となっています。

要するに、社長の放漫経営を監視する義務に違反したということで、これは常勤、非常勤の区別はありません。

任務解怠が認定されれば、支払責任を共同で負うことになります。

しかし、日本の企業の多くは、株式会社とはいえ、零細企業です。

かりに取締役会を開いたとしても、社長の独断専行を阻止することはむずかしいと考えられます。

要するに、いくら監視していても、ワンマン社長の独断専行は止められなかったという事情があった場合には、名目的な取締役の責任を否定した判決もあります。

こうした判決が出るようになってからは、名目だけの役員にまで、一律に責任がおよんでくるようなことは、なくなってきているようです。

河成鎮一郎(かわなり・しんいちろう)=法律家




  
タグ :河成鎮一郎
Posted by 河成鎮一郎 at 00:15Comments(0)河成鎮一郎

2011年05月12日

手形の訂正の方法(河成鎮一郎)

手形・小切手を振り出す際に、記載事項を間違えてしまい訂正したいときは、次のようにします。

①訂正個所を二本線で消す(塗りつぶすと変造の疑いを持たれる)。

②二本線の上に銀行届出印を押す。

③その上か下に訂正した記載をする。

④裏書譲渡されている場合には、それまでに署名をしたすべての裏書人、保証人等から同意と訂正印をもらう。

ここで、裏書人や保証人から同意がもらえなければ、それらの人に対しては、訂正前の文言に基づく責任しか追及できません。

ただし、金額を誤記してしまった場合は、訂正せずに新しい手形用紙を使用するよう約束手形用法等で要求されています(法律上は有効です)。

また、権限のない者が勝手に訂正すると手形の変造になり、有価証券変造罪で罰せられます。



  
タグ :河成鎮一郎
Posted by 河成鎮一郎 at 01:11Comments(0)河成鎮一郎

2011年05月11日

手形保証(河成鎮一郎)

手形保証は、手形保証をする際に、「この手形に記載された文言通りに保証をします」という意思表示です。

したがって、その手形が偽造されたものであり、振出人が支払いを拒める場合でも、保証人はその記載された文言自体につき保証しているので、支払いを拒むことはできません。

これを手形保証の独立性といいます。

さらに、民法上の普通の保証人には認められる「催告の抗弁権」(まず主債務者に支払いを催告してほしいと要求する権利)と「検索の抗弁権」(まず、主債務者の財産に強制執行してほしいと要求する権利)がなく、手形が不渡りになった場合には、すぐに支払いを請求されてしまいます。

法律家・河成鎮一郎


  
タグ :河成鎮一郎
Posted by 河成鎮一郎 at 02:35Comments(0)河成鎮一郎

2011年05月10日

マル専手形(河成鎮一郎)

マル専手形は、普段手形を使用しないサラリーマン等の個人が、高級スポーツクラブやゴルフクラブの会員権といった高額商品を買うときに使用する、目的が定められた分割払手形のことです。

たとえば1000万円のゴルフクラブの会員権を購入する場合に、50万円分の手形20枚を振り出して一枚ずつ手形決済する場合です。

決済は当座勘定口座で行います。

しかし、普通のサラリーマンは銀行と当座勘定取引を行っているわけではないので、手形専用当座勘定(マル専口座)を開設し、毎月の支払期日前にその口座に手形金を入金して決済していくことになります。

マル専手形も手形である以上、不渡りを出したときには不渡処分や銀行取引停止処分を受けます。

そうすると、信用情報センターに登録され、銀行系の金融機関での借入はできなくなってしまいます。

法律家・河成鎮一郎



  
タグ :河成鎮一郎
Posted by 河成鎮一郎 at 10:09Comments(0)河成鎮一郎

2011年04月10日

約束手形用法(河成鎮一郎)

現実に流通している手形は、当座勘定取引契約を締結した銀行から交付される統一手形用紙が使用されています。

この統一手形用紙にはある程度の記載事項は印刷されており、振出人はそれ以外の事項を記載して手形を振り出します。

そして、手形に記銀行は手形を決済してくれません。

約束手形用法を読むと、細かく手形記載上の注意事項が書いてあります。

特に金額欄は重要なので、記載の仕方の注意事項も詳細です。

約束手形用法に違反する記載をしてしまうと不渡りになり、手形交換所を通して決済をすることはできません。

しかし、約束手形用法は、大量な手形を効率よく一括して処理するために定められたものであり、法律上の有効・無効とは関係ありません。

したがって、約束手形用法に違反して手形が不渡りになっても、法律上有効な手形であれば、手形訴訟を提起して、手形金を回収することはできます。

しかし、時間と費用がかかりますので、やはり約束手形用法にきちんと従った記載をしなければなりません。

法律家 三河成鎮



  
タグ :河成鎮一郎
Posted by 河成鎮一郎 at 21:06Comments(0)河成鎮一郎

2011年03月09日

約束手形の法律手続き その2(河成鎮一郎)

<呈示>
統一手形用紙には、あらかじめ手形発行銀行が支払場所どして記載されていますが、手形決済を集中的かつ効率的に行うため、手形交換所を通して決済されます。

手形の所持人は、手形を決済するには、まず、自分の取引銀行に取立委任をします。

そうすると、その取引銀行(持出銀行)は手形交換所に手形を持ち出して手形を交換呈示します。

そこで、支払場所として記載された支払銀行はその手形を自行に持ち帰ります(このことから、支払銀行を持帰銀行といいます)。

各銀行は、毎日、膨大な数の手形を持ち出し、かつ、持ち帰りますが、持ち出した手形と持ち帰った手形の差額(交換尻)を日本銀行ないし幹事銀行に持っている当座勘定口座を通して決済します。

これを交換尻決済といいます。

また、交換尻決済により、自行への入金が出金を上回るときには「勝ち」といい、出金が入金を上回るときには「負け」といっています。


<支払い>
支払銀行は、振出人の当座預金に残高があればこれを引き落とし、決済が完了します。

残高不足のときは支払銀行から振出人に連絡を取り、振出人に、資金を用意するかどうかの意向を確認します。


<不渡り>
振出人の当座預金に残高がない場合ないし手形の記載の不備等何らかの問題があり、手形を決済できない場合には、手形は不渡りとなります。

不渡りの場合には、銀行と取引ができなくなる取引停止処分という厳しい制裁が待っています。


<手形訴訟>
手形が不渡りになると、手形所持人は、振出人や裏書人等に対し、手形訴訟を提起して、手形金の回収を図ります。

その際には、手形を証拠として提出する必要があります。

手形訴訟は、たいてい手形所持人が勝訴します。

また、手形訴訟は、通常訴訟に比べ迅速に解決する等、いくつかの特殊性があります。

~法律家・河成鎮一郎

  
タグ :河成鎮一郎
Posted by 河成鎮一郎 at 00:03Comments(0)河成鎮一郎

2011年03月08日

法律的に正しい約束手形の流れ(by 河成鎮一郎)

<当座勘定ロ座の開設>

法律上は、手形用紙に使用する用紙はどのようなものでもよいことになっています。

しかし、現在の手形取引は、昭和41年に全国銀行協会連合会が定めた統一手形用紙を使用しなければならなくなっています。

統一手形用紙を使用し、手形交換所を通して銀行で決済するのです。

統一手形用紙を銀行からもらうためには、取引銀行と当座勘定取引契約を締結して当座勘定口座を開設する必要があります。

当座勘定口座というのは、手形・小切手等の決済のみを目的として開設される無利息の預金口座です。

ただし、当座勘定口座は自由開設できるわけではありません。

銀行と当座勘定口座を開設するためには、銀行の信用調査で合格点をもらわなければなりません。

その調査に合格すると、初めて銀行から約束手形用紙を交付されるのです。

なお、この約束手形用紙は50枚ないし100枚綴りになっており、銀行から購入することになります。

しかし、会社の信用状態に不安が生じてくると、手形用紙を交付してもらえなくなります。


<振出>

手形は、振出によって手形債務が発生し、流通におかれることになります。

署名(記名・捺印)はしたが振り出す前に盗難にあった場合(交付欠鉄という)に手形債務が発生するかどうかについて、手形法学界における難しい議論もあります。


<裏書>

手形は、裏書および手形の交付によって手形上の権利が移転します。

裏書とは、手形の裏面に、「表記金額を下記被裏書人またはその指図人にお支払いください」と書いて署名(記名・捺印)することです。

この裏書により、裏書人にも担保責任が発生し、手形が不渡りになった場合には、手形金を支払わなければならなくなります。

つまり、振出人の保証人になるようなものです。

また、裏書が連続していることにより、手形の所持人が権利者であると推定され、容易に支払いを受けることができます。

これらの制度により、手形の流通が促進されているのです。

~河成鎮一郎(法律家)

  
タグ :河成鎮一郎
Posted by 河成鎮一郎 at 11:44Comments(0)河成鎮一郎